2019年10月20日、名古屋市内の鯱城ホールに於いて「第21回薬害根絶フォーラム」が開催されました。
会場には、総勢約200名の方々が来場されました。薬害肝炎全国原告団からも全国各地より多くの原告が参加し、他の薬害被害の当事者のみなさんや大勢の支援者の方々とともに、薬害被害の実態をあらためて学び、理解を深めることができました。
第1部では、イレッサ、薬害肝炎、スモン、薬害ヤコブ、MMRワクチン接種禍、薬害HIV、サリドマイド、陣痛促進剤、筋短縮症の被害当事者が登壇して、それぞれの薬害の歴史と被害の実情を説明しました。特集として、現在訴訟を闘っているHPVワクチン薬害訴訟全国原告団から、落合晴香さん(名古屋訴訟原告)が被害の実情を詳しく説明し、広く支援を呼びかけました。
第2部では、徹底討論『薬害被害者は何と闘ってきたのか』と題したシンポジウムが行われました。
サリドマイドやスモン、HIVの被害者からは、社会からの差別や偏見で、いじめ、隔離、差別に苦しみ、これと闘ってきた歴史があることが、説明されました。HPVワクチン薬害訴訟の原告さんからは、深刻な病状との闘いに加えて、社会生活やネットの上で心ない誹謗中傷を浴びたり、受診した医療機関で詐病扱いをうけたりするという苦しみのまっただ中にいることが、実際の体験に基づいて説明されました。
討議の中では、製薬会社が利潤を追求する中で薬の安全性により無頓着になってきているのではないか、薬害被害者自らが声をあげることが、薬害防止の大きな力となるはずだという意見が相次ぎました。
今回のフォーラムでは、HPVワクチン薬害の被害者のみなさんが『1日も早い治療法と救済の確立を、これ以上被害が広がらないことを心から望みます。』と訴えていたことが心に残りました。本当の、心からの叫びと想いました。
薬害の被害者の1人として、本当にこんなひどいことは、2度と起きてほしくないと心から願います。
また、薬害は他人ごとではないということを、多くの人に知ってもらいたいと思いました。
心ない偏見・差別が、どれだけ人の心を傷つけるか、理解することが大切だと想います。
薬害根絶を、心から願います。
薬害肝炎名古屋訴訟 原告 金田和子